EMLの SVF VCFについて


EML社のsynthの歴史は意外と古く、1972年にはEML101をすでに発売しておりUSAではMOOG、ARP、BUCHLAにつぐanalog synthメーカーで他社と比べると独自な回路を有するsynthsizerメーカーでした。 EMLのsynthには通常の完成版のsynthの他に EML modular synthsizer systemと呼ばれるDIYな基板moduleも販売していました。

このメーカーのVCO/VCF/VCA/EG等の回路は基本的にEML101がベースとなっておりほぼ全製品において同じ回路が使われており VCFは差動回路を用いたSVFが使われています。


EML 500 synthesizer VCF 積分器部分(抜粋)

VCA回路(電圧 -電流変換回路による定電流源でドライブ) + 差動の積分器構成。 CV用の電流源自体はリニアですがEML10であれば別途、独立したuA726(1/2)によるanatilog AMP経由でドライブ。

ディスクリートOTA部分は差動回路によるVCAそのものでVCAであれば差動のOP AMPで信号を取り出す部分の一部の抵抗が Cap.におきかわっており差動の積分器を構成しておりVCA部分は可変定電流源を構成している形です。 とてもシンプルな構成ですがこのような構成のVCF回路は EML以外には無いようです。 但しこのVCA回路の抵抗負荷部分をカレントミーラーに置き換えた簡易OTAを使用したVCFはいくつかあります。


EMLのmodularsynthesizer system基板写真は netで発見できますが回路図はみかけることはありません。 回路としてはEML101等と同等の回路だと思いますが参考までに以下に示します。


Electrocomp - EML modular synthesizer system SVF VCF



<2018/04/08 rev 0.1>